鋼材中水素量分析装置/昇温脱離分析装置 HTDS-003
メーカー名:株式会社アールデック, 株式会社エイブイシー
製品情報
概要
鋼材中の含有水素量を高感度で定量分析可能な、無機ガス専用の昇温脱離分析装置です。
水素脆化の材料評価や水素吸蔵合金の評価に最適です。
また、HTDS-003は分析性能(感度:0.01wt.ppm/5g)を達成するため、高感度分析が可能かつ操作も簡単です。
特長
■分析室
- 検出器には質量分析計を採用しておりますので、リアルタイムで測定が可能です。
- 分析室排気系にはタンデムターボ分子ポンプを搭載し、真空容器中の残留水素のバックグランドを低減化することにより高感度での水素分析が可能です。
■試料加熱部
- 均熱長:200㎜(1000℃時/±0.5℃以内)
- 大きめのサンプルも安定して加熱が出来ます。
■試料導入室
- 加熱炉芯管・分析室を大気にさらすことなく試料の導入が可能です。
- 試料導入時でも分析室の水素バックグラウンドが安定しています。
実試料も導入可能
最大φ20㎜×50㎜の試料片も測定できます。
その為、実際に遅れ破壊のあったボルト・ナット、板状試料でも導入が可能です
水素量計算ソフトが標準仕様
自社開発の水素量計算ソフトにより簡単に重量・ppmの計算が可能です。
■水素標準リークシステム内蔵
- 水素ガス圧力調整型標準リークシステムにより、簡単に質量分析計の定量校正操作が可能で、長期間安定した測定結果が得られます。
- 水素ガス充填は排気タッチパネルコントローラーにより自動簡単操作。
サイクル腐食試験で侵入した高強度鋼中の水素の測定
サンプルはサイクル腐食試験後のSCM435鋼(1500MPa)です。
低温側の小さなピークが、腐食反応に伴って鋼の中に侵入した水素に対応します。この水素は室温で拡散し、水素脆化の原因になると考えられています。
一方、高温側の大きなピークの水素は鋼が作られていた時から取り込まれていた水素で、室温では拡散せず、水素脆化には直接関係ないと考えられています。
遅れ破壊は微量な拡散性水素により水素脆化が起こりえます。よって、感度の高い測定が求められます。
■排気タッチパネルコントローラー
■試料加熱タッチパネルコントローラー
タッチパネルで簡単操作が可能
排気ポンプ・全てのバルブはシーケンサーにより管理され、タッチパネルにて簡単に全ての操作を行うことが出来ます。
定量基準を決めるための標準リークシステムへの基準ガス導入も自動で行えます。
仕様
到達圧力 | 1×10-7Pa以下 |
分析室排気系 | 300L/s 磁気軸受け型TMP + 50L/s TMP(タンデム排気) + 200L/min RP 排気系及び加熱部の操作:タッチパネル式(非常停止ボタン装備) |
水素のバックグランド | 5×10-9Pa以下 |
質量分析感度 | 0.01 wt.ppm (5g 鋼材試料) (四重極質量分析の検出限界:2×10-13Pa) |
標準リーク | 水素ガスリーク量(4点高精度校正) 5.0×10-6atm・cc/s = 2.7 kPa程度 2.0×10-5atm・cc/s = 11 kPa程度 5.0×10-5atm・cc/s = 27.5 kPa程度 1.0×10-4atm・cc/s = 55 kPa程度 |
試料加熱温度 | 室温~1000℃ |
試料昇温速度 | 50℃/hr~600℃/hr |
試料サイズ | φ5㎜×10㎜~φ20㎜×50㎜ (その他のサイズはお問合せください) |
炉心管寸法 | OD=φ32㎜×700㎜ |
試料準備室排気系 | 50L/s TMP(オプションで150L/sへ変更可能) |
試料導入 | マグネットフィードスルーによる試料導入 |
水素量計算ソフトウェア | 水素放出スペクトル表示 任意の温度範囲での水素量の計算が可能 水素バックグランドの差し引きが可能 水素量の計算は標準リークガス測定値に基づき可能 水素量のwt.ppmの計算が可能 測定データがEXCEL等にデータ出力可能 |
※その他仕様につきましてはお問合せください。